Googleファインド広告とは?特徴や運用のポイントについて解説

Googleが提供するサービス内に広告を配信できるファインド広告ですが、比較的新しい種類のキャンペーンということもあり、特徴や運用方法などがよくわからないという広告担当者も多いでしょう。
そこで今回の記事では、ファインド広告の特徴や使用場面、配信面、ターゲティング、運用のポイントなどについて詳しく解説していきます。
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この記事でわかること
  • ファインド広告の特徴
  • ファインド広告の配信面
  • ファインド広告のターゲティング

ファインド広告とは

ファインド広告とは、「Google Discover」・「YouTube」・「Gmail」という3つのサービスにクリエイティブを配信できる広告のことで、Googleが保有している膨大なユーザーデータに基づき、パーソナライズ化された効果的な広告配信が可能となっています。
画像引用:
ファインド広告登場時は、Googleの担当者がついている場合でないと利用できませんでしたが、2020年4月からはすべてのアカウントで利用できるようになりました。
なお、ファインド広告と、同じくGoogleが提供するGDA(ディスプレイ広告)との違いについては以下の通りです。
ファインド広告GDA
配信面Googleサービス内のみ外部のアプリやメディアにも配信可能
ターゲティング配信面のターゲティング不可配信面のターゲティングが可能
クリエイティブ複数の登録が可能基本的に1つのみ
また、2023年3月より正式に商品フィードを使用した広告の配信も可能になりました。ファインド広告で商品フィードを利用することで、商品フィードに含まれる画像やテキストを用いて、より消費者の興味関心や意向に沿った広告を配信することができます。

ファインド広告の特徴

ファインド広告は、他の広告配信ネットワークと比べて以下のような特徴があります。
  • 幅広いユーザーに配信可能
  • 精度の高いターゲティングが可能
  • ユーザーの興味を引きやすい広告フォーマット
  • 検索広告では狙えない層への配信が可能
それぞれの特徴について紹介していきます。

幅広いユーザーに配信可能

ファインド広告が配信される「Google Discover」・「YouTube」・「Gmail」は、月間最大30億人が利用するサービスです。
そのため、GDAだけではリーチできないユーザーへも幅広く配信できるキャンペーンとなっています。

精度の高いターゲティングが可能

昨今、プライバシー保護の観点からCookieを使用したターゲティングが制限されつつありますが、ファインド広告の場合は、Googleが提供するサービスを利用したユーザーのデータを利用できます。
YouTubeやGmailといったGoogleのサービス利用者の数は膨大であり、その分集まるデータ量も多くなるため、Googleが保有するユーザーのログインデータや行動履歴だけで精度の高いターゲティングが可能となります。

ユーザーの興味を引きやすい広告フォーマット

ファインド広告はフィード間に自然な形で配信されるため、広告感が少なくユーザーに受け入れられやすいのも特徴の一つです。
広告フォーマットに関しても、アセットに登録した画像やテキストの中から機械学習によって最適化された広告が生成されるため、ユーザーが興味を持ちやすくコンバージョンにも繋がりやすい広告が表示されます。

検索広告では狙えない層への配信が可能

検索広告の場合、その時入力されたキーワードに連動した広告が表示されますが、そこで広告がクリックされなければそれまでとなってしまいます。
しかしファインド広告では、オーディエンスセグメントの機能を使うことで、過去に特定のキーワードで検索したことのあるユーザーに対して再度広告を表示することが可能となります。
この機能により、一度検索広告として表示されたもののクリックしなかった、というユーザーに対して再度アプローチできるというメリットが生まれます。

ファインド広告の使用場面

ファインド広告は、「見込み顧客へのアプローチ」や「ユーザーへの再アプローチ」といった目的に適しています。

見込み顧客にアプローチしたい場合

オーディエンスセグメントの設定を活用することで、Google検索やYouTubeといったGoogleが提供するサービスにおいて、過去に「特定のキーワード」で検索したユーザーに絞り込んで広告を配信することが可能です。
例えば、自社が提供するサービスや商品に属性の近いキーワードで絞り込むことで見込み客だけに広告を配信できるため、コンバージョンの可能性を高めることができます。

ユーザーに再アプローチしたい場合

  • 過去に商品を購入したことがある
  • Webサイトを訪問したことがある
  • YouTubeチャンネルを閲覧したことがある
このように、自社が提供するものに何らかのアクションを起こしたユーザーに対してアプローチし、行動を促せるのもファインド広告の特徴です。
Googleのサービスへは、常に新しいコンテンツを求めて多くのユーザーが繰り返しアクセスするため、再アプローチの機会が多くなります。

ファインド広告の配信面

ファインド広告の配信面は、以下の3つのみとなります。
  • Google Discover
  • YouTube(ホームフィード・次のおすすめ)
  • Gmail(プロモーションタブ・ソーシャルタブ)

Google Discover

Google Discoverとは、検索履歴や行動履歴、居住地、使用デバイス情報などに基づいて、そのユーザーが興味を持ちそうなおすすめコンテンツを自動で表示するフィードのことです。
基本的に、スマホのみの表示となります。
上記画像の通り、検索窓の下に大きく表示されるため非常に目立ちます。
この枠に広告が配信されるので、適切なターゲティングを行うことで多くのアクセス獲得に繋げることが可能です。

YouTube(ホームフィード・次のおすすめ)

YouTubeの「ホームフィード」とは、YouTubeアプリを開いた時に一番上に表示されるフィードです。
スマホでYouTubeを利用しようとした時には必ず目に入る部分なので、多くのユーザーにリーチすることができます。
そして「次のおすすめ」とは、動画視聴中に関連動画として一覧表示されているフィードのことです。
「次のおすすめ」は、以下のような仕組みで動画が表示されます。
  1. ライブ配信中のイベントがある場合は、そのイベントが [次のおすすめ] モジュールに表示されます。
  1. TrueView インサーチ広告から視聴者がチャンネルにアクセスした場合は、[次のおすすめ] モジュールにプロモート動画が表示されます。
  1. 上記のいずれにも該当しないものの、ユーザーがそのチャンネルの動画を最近視聴している場合は、アップロードした動画の最初の関連動画が表示されます。これは、動画が終了したときに動画プレーヤー内に表示される [関連動画] サムネイルの一番左上に表示される動画です。
  1. 上記のいずれにも該当しない場合は、チャンネルの最新のアップロード動画が表示されます。

Gmail(プロモーションタブ・ソーシャルタブ)

Gmailには、「メイン」・「ソーシャル」・「プロモーション」という3つのタブがありますが、このうちの「ソーシャル」と「プロモーション」に広告が配信されます。
「プロモーションタブ」・「ソーシャルタブ」には、最新の商品や割引情報などが表示されるため、比較的購入意欲の高いユーザーへのアプローチに期待できます。

ファインド広告のターゲティング

ファインド広告では、ユーザーに対するターゲティングは可能なものの、配信面でのターゲティングはできない仕様になっています。
しかしユーザーに対するターゲティングはかなり詳細にできるため、リーチするユーザーを絞った効果的な配信が可能です。
ファインド広告のターゲティング設定は、大別すると以下の3種類となります。
  • オーディエンスセグメント
  • ユーザー属性
  • 最適化されたターゲティング

オーディエンスセグメント

オーディエンスセグメント項目では、カスタムセグメントで関連性の高いキーワード・URL・アプリを設定したり、引っ越しや結婚といったライフイベントで絞り込みを行うことで、各ユーザーに最適な広告を表示させることができます。

ユーザー属性

ユーザー属性は、「年齢」「性別」「世帯収入」「子供の有無」といったセグメントでのターゲティングを設定する項目です。
セグメントターゲティング内容
年齢「18~24 歳」「25~34 歳」「35~44 歳」「45~54 歳」「55~64 歳」「65 歳以上」「不明」
性別「女性」「男性」「不明」
世帯収入「上位 10%」「11~20%」「21~30%」「31~40%」「41~50%」「下位 50%」「不明」
子供の有無「子供あり」「子供なし」「不明」

最適化されたターゲティング

最適化されたターゲティングを利用すると、手動でターゲティングしたユーザーだけでなく、関連性の高いユーザーにまでリーチを広げることができるため、これまで逃していた見込み客へのアプローチが可能となり、目標を超える成果の達成を目指せます。
最適化されたターゲティングは、以下のような状況で効果的ですので、当てはまる場合は積極的に活用していくべきでしょう。
  • 既存のセグメントを超えた広告配信をしたい
  • 機械学習によって導き出された「コンバージョンしやすいユーザー」へリーチしたい
  • 入札単価や顧客獲得単価を上げずにコンバージョンを増やしたい

ファインド広告の入札戦略

ファインド広告はコンバージョンに基づく入札となるため、選択できる入札戦略は以下の2つのみとなります。
  • コンバージョン数の最大化
  • 目標コンバージョン単価
GDAならば「クリック数の最大化」や「手動入札」も可能ですが、ファインド広告ではこういった入札はできません。
「コンバージョン数の最大化」は、広告主が指定した予算を消化しつつ、高度な機械学習とオークションごとの自動入札機能により、最大限のコンバージョンが得られるように入札単価が自動設定されます。
「目標コンバージョン単価」は、予算をコントロールできるのが特徴で、広告に想定外の費用をかけたくない場合におすすめの入札戦略です。
目標コンバージョン単価を選択することで、指定した単価の範囲で最大限のコンバージョンを獲得できるように入札単価が自動調整されます。

ファインド広告のクリエイティブ要件

ファインド広告のクリエイティブには、「ファインド広告」・「ファインドカルーセル広告」の2種類が存在します。
それぞれの要件は以下の通りです。

ファインド広告の要件

項目名仕様設置数
最終ページURLランディングページを設定する・1個のみ
広告見出し最大半角40文字(全角20文字)、
少なくとも1つは半角15文字(全角7文字)以内
・最小:3個 ・最大:5個 ・推奨:5個
説明文最大半角90文字(全角45文字)・最小:3個 ・最大:5個 ・推奨:5個
行動を促すフレーズデフォルトで自動生成、またはリストから選択・1個のみ
店やサービスの名前最大半角25文字(全角12文字)・1個のみ
横向きの画像・比率は「1.91:1」
・最小600×314ピクセル
・推奨1200×628ピクセル
・最大ファイルサイズは5MB
・最小:1個 ・推奨:3個
スクエア画像・比率は「1:1」
・最小300×300ピクセル
・推奨1200×1200ピクセル
・最大ファイルサイズは5MB
・最小:1個 ・推奨:3個
縦向きの画像・比率は「4:5」
・最小480×600ピクセル
・推奨960×1200ピクセル
・最小:0個 ・推奨:3個
スクエアロゴ・比率は「1:1」
・最小128×128ピクセル
・推奨1200×1200ピクセル
・最大ファイルサイズは5MB
・推奨される背景は透明
・最小:1個 ・推奨:1個

ファインドカルーセル広告の要件

項目名仕様設置数
最終ページURLランディングページを設定する(画像ごとに特定のランディングページを設定することも可能)・1個のみ
広告見出し最大半角40文字(全角20文字)、
少なくとも1つは半角15文字(全角7文字)以内
・最小:3個 ・最大:5個 ・推奨:5個
説明文最大半角90文字(全角45文字)・最小:3個 ・最大:5個 ・推奨:3個
行動を促すフレーズデフォルトで自動生成、またはリストから選択・1個のみ
店やサービスの名前最大半角25文字(全角12文字)・1個のみ
モバイルURLモバイル用のランディングページを設定する・設定は任意
カード画像・比率は「1:1」または「1:1.91」
・「1:1」の場合は、最小128×128ピクセル、推奨1200×1200ピクセル
・「1:1.91」の場合は、最小600×314ピクセル、推奨1200×628ピクセル
・最大ファイルサイズは5MB
・最小(推奨):2個 ・最大:10個
ロゴ・比率は「1:1」
・最小128×128ピクセル
・推奨1200×1200ピクセル
・最大ファイルサイズは5MB
・1個のみ

ファインド広告の設定方法

ファインド広告の設定方法は以下の通りです。
  1. Google広告アカウントにログイン
  1. 左側にあるメニューから「キャンペーン」をクリック
  1. 「+」をクリックしてから「新しいキャンペーンを作成」を選択
  1. 「販売促進」・「見込み顧客の獲得」・「ウェブサイトのトラフィック」・「目標を設定していない」の4つからマーケティングの目標を1つだけ選択
  1. キャンペーンタイプとして「ファインド」を選択
  1. 「標準のファインド キャンペーン」・「商品フィードのあるファインド キャンペーン」のどちらかのサブタイプを選択してから「続行」をクリック
  1. 「ファインド広告のコンバージョン選択」で、目的に合ったものを1つ選択
  1. キャンペーン名を入力し、ターゲット地域とターゲット言語を選択
  1. 入札単価と予算を設定
  1. オーディエンスやユーザー属性でターゲティングを設定
  1. ファインド広告用のクリエイティブを作成して入稿

ファインド広告運用のポイント

ファインド広告を運用する際は以下のような点に留意しながら、コンバージョンを意識した配信を行うようにしましょう。

機械学習が促進される予算設定

1 日の平均予算として十分な金額が設定されていることを確認し、学習期間(少なくとも 50 件のコンバージョンが発生するまで待つ)に充てる時間を確保してから、キャンペーンに変更を加えましょう。
このように、GoogleのAIが最適な広告配信を行うために最低限の機械学習を行うには、50件のコンバージョンが必要とされています。
従って、予算設定があまりに低いと機械学習が進まず、非効率的な配信が続いてしまう可能性があります。
広告予算をできるだけ抑えたいという思いはどのクライアントも同じですが、抑えすぎた結果、広告配信の効果が下がってしまっては意味がないので、初動ではある程度多めの予算設定をしておくのが無難です。

コンバージョンする可能性が高いオーディエンスの追加

コンバージョンに期待できるユーザーにアプローチするためには、他のキャンペーンで高い成果が出ているオーディエンスを狙うというのも有効です。
  • 他のキャンペーンのパフォーマンスに基づいて、コンバージョンを達成する見込みの高いオーディエンスに焦点を合わせましょう。
理由: 効果的なファインド キャンペーンの多くでは、データのオーディエンス セグメントやカスタム オーディエンスなど、動画キャンペーンとソーシャル キャンペーンで成果を上げている購入意向の強いオーディエンスを再利用しています。
コンバージョンを目的としている場合は、他のキャンペーンで成果が出ているオーディエンスを積極的に追加していきましょう。

既存のキャンペーンで効果の高いクリエイティブの利用

上記の「他のキャンペーンで成果が出ているオーディエンスを追加する」という施策と同様に、ソーシャルキャンペーンや動画キャンペーンなど、他のキャンペーンで高い成果を出しているクリエイティブを再利用するという方法も広告配信の効果を上げるのに有効です。
さらに、画像の画質を上げることでブランド価値を高められ、ユーザーの購買行動を促進する効果が期待できます。

ファインド広告運用の注意点

認知だけでなくコンバージョンにも高い効果が期待できるファインド広告ですが、気を付けなければいけない点があります。
導入を検討している場合は、以下の2つについて把握しておいてください。

配信面やデバイスの指定ができない

ファインド広告は、「人」に対する細かいターゲティングはできるものの、配信面については一切のターゲティングができません。
必ず、「Google Discover」「YouTube」「Gmail」の3つに広告を配信することになります。
また、「スマホ利用者だけに配信する」といったデバイス単位でのターゲティングもできないので注意が必要です。

画像の要件が厳しい

ファインド広告の画像要件は、他の広告よりも厳しく設定されています。
「性的な内容」や「グロテスクなもの」はもちろん、以下のようなアセットを含んだ画像も認められません。
【認められないアセットの例】
  • 離婚や別居
  • 住宅差し押さえ
  • 経済的困難
  • 事故や人身傷害
  • 自然災害や人為的災害
  • 死、または死に関連するコンテンツ(死んだ動物、葬儀場、墓地など)
  • 心的外傷や苦痛
  • 差別
基本的に、「否定的な出来事」が含まれてしまうとポリシー違反となってしまう可能性が高いです。

まとめ:ファインド広告を上手に活用して効果的な広告配信をしよう

サービスや商品に関心の高いユーザーに向けて配信できるファインド広告は、コンバージョンに繋がりやすいという特徴があります。
ターゲティングや入札戦略、クリエイティブ作成に力を入れることで、さらに高い成果が期待できますので、これまで解説してきた内容を参考に効果的な運用を心掛けてください。

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