Criteo「コンテクスチュアルターゲティング」の利用方法と注意点
昨今、プライバシー保護のトレンドを受けて、Cookieに依存しない「コンテクスチュアルターゲティング」が注目されています。
コンテクスチュアルターゲティングとは:
Webサイトのコンテンツを分析し、文脈(コンテキスト)を読み取り、その内容に合わせて広告を配信するターゲティング手法。ユーザーが閲覧しているページと関連性の高い広告を表示させることで、ユーザーにとってより価値の高い情報を提供しようとする仕組みです。
例えば、Criteoのコンテクスチュアルターゲティングでは、広告が表示されるWebサイトのテキストや画像から情報を読み取り、配信する広告との関連度を推測します。
本記事では、Criteoのコンテクスチュアルターゲティングの利用方法についてご説明します。
Criteoのコンテクスチュアルターゲティングの特徴と利用方法
Criteoでは、コンテクスチュアル分析に加えて、自社1st party media networkで得た1st Partyデータを利用してターゲティングをします。よって、クッキーレス時代においても、3rd Party Cookieを利用せずに購入確度の高い見込み顧客にリーチが可能であるとされています。
特徴
- Criteoの保有する、膨大な1st partyコマースデータを利用できる
- 自然言語処理(NLP)により、コンテクスチュアルの精度が高い
後者についていえば、「イタリアの旅行について書かれている」ではなく、「イタリア旅行での残念な体験について書かれている」などの、文脈や感情的な面までを理解できる技術を備えていると説明されています。
利用方法
現在のところ、コンテクスチュアルターゲティング専用のオーディエンスを管理画面から選択することはできません(22年5月時点)。既存の選択可能なオーディエンスである「コマースオーディエンス(Commerce)」と「類似オーディエンス(Similar)」に内包されている状態です。
ですので、現在はコンテクスチュアルターゲティングを単体で実施することはできませんが、下記2つのどちらかを選択すればコンテクスチュアルシグナルも機能することになります。
なお、ターゲティング選択の際に、下記のような「コンテンツターゲティングを有効にする」という項目がありますが、こちらは設定不要です。(デフォルトのOFFの状態でOKです)
これは配信するメディアジャンルを指定するもので、配信先メディアにこだわりたいケースなどでは利用が推奨されますが、Criteoの配信エンジンを最大限に機能させたい場合は、制限しないことが推奨されます。
注意点
利用にあたり、事前に理解しておきたい点は以下の通りです。
- Criteoのコンテクスチュアルターゲティングは「コマースオーディエンス」と「類似オーディエンス」に内包されているため、2023年後半に控えているGoogleの3rd party cookie規制の影響を受ける可能性がある
- コンテクスチュアルターゲティング単体の成果を分析することは、現時点では難しい(上述の通り「内包」されているため)
※前者は、言い換えれば「Cookieレスへの対応という文脈でCriteoのコンテクスチュアルターゲティングを活用しても、引き続き3rd party cookie規制を受ける可能性がある」こと意味している、と言えます。
おまけ:Criteoで非リターゲティング配信をすべき状況とは?
本テーマとは少し話がそれますが、Criteoの「非リターゲティングプロダクトの配信」の活用方法について、ちょっとしたコツをご紹介します。
Criteoの管理画面で「リーチ率」を確認することができますが、これは「Criteoで蓄積しているリターゲティングオーディエンスの内、上位何%に広告が配信されているか」を表しています。
Criteoの機械学習により、蓄積されたリターゲティングオーディエンスに対してランク付けが行われており、ランクの高いユーザーから優先して配信をする仕組みになっています。
あくまでイメージですが、このような感じです。
つまり、上述した「リーチ率」が高すぎると、リターゲティングオーディエンスの中で、あまり広告効率の高くないユーザーに対して配信が行われている状況と言えます。そのような状況では、非リターゲティングプロダクトの配信をおこなうことで、新しいユーザーの流入を増やして、オーディエンスリストをリフレッシュしていくことが重要になります。
本記事がCriteoの成果改善のお役に立てば幸いです!