BtoB事業の広告運用において外せないリード獲得経路

はじめに

BtoB事業の広告運用において、最も重要な変数と言っても過言ではないのがリード獲得経路です。
ここで言う「経路」とは、paid、organic、SNSなどといったプロモーションチャネルのことではなく、お問い合わせ、資料請求、展示会、ウェビナーなどの、「リードの会社名や氏名、メールアドレス、電話番号などの個人情報を提出してくれる理由」にあたるところです。
このリード獲得経路が重要な理由は「リードの質」に強く関係するためです。商談や契約までの歩留まりと獲得できるリードの母数に大きな影響を与えるため、選択を間違えると、「リードは安く大量に獲得できるが、商談に全くつながらない」「商談につながる良いリードが獲得できても数が少なくなりすぎる」といった問題が発生してしまいます。
各リード獲得経路をマーケティングファネルと重ね合わせると、大まかには下記のようになります。
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一方で、リード獲得経路の選択については、マーケティングの戦略とセットで適切なものを選び、事業の成長に合わせて適宜変えていく必要があるので、一概に「こうすべき」と言うのが難しいところではあります。
この点については下記の記事でも触れておりますので、よければご一読ください。
  • 記事:BtoB事業の広告運用にあたって知っておくべきマーケティングフレームワーク
そこで、この記事では、運用型広告におけるリード獲得経路にはどのような選択肢があるのか?をご紹介するとともに、その経路を選ぶ際の判断基準などをお伝えすることで、お読みいただいた方々の意思決定の補助になることを意識して記載いたします。

お問い合わせ・お見積り

こちらは、最初に設置される代表的なリード獲得経路です。その製品やサービスの検討が進んでいる方がここからリード化しますので、その後の商談や契約までの歩留まりが良い傾向にあります。
ただし、この経路にいたるほど温度感の高いリードはそれほど多くはありません。ゆえに、運用型広告の実施にあたっては、リード獲得経路をここ以外にも設置をしていないと、広告費や媒体が増えていく中で改善を進めたとしても期待どおりにリードは増えず、いたずらにCPAを引き上げてしまうケースがほとんどです。
また、どれだけお問い合わせ獲得に自信があっても、想定外の結果を得たときに二の矢がすぐに出せないため、やはり事前に他のリード獲得経路は用意しておくことが望ましいです。このようなことから、私はほとんどのケースにおいて、リード獲得経路がお問い合わせのみの状態で運用型広告を始めることはおすすめしておりません。

製品・サービス資料請求

こちらも、お問い合わせと並んで設置されているケースが多いかと思います。お問い合わせと同じく顕在層をリード化するのに有効ですが、「お問い合わせでリード化せずとも資料請求であればリード化する人」はいますので、お問い合わせがあれば資料請求は不要ということはありません。
ですので、資料請求でリード化した後にインサイドセールス等でフォローする(購買体験を毀損しない範囲で)、というプロセスも選択肢に入れる必要があります。
ただし、製品やサービスによっては、資料請求のCTA(Call To Action)を新たに追加したとしても、必ずしもリードが増えてくれるとは限りません。その主な例に「新規性の高い製品やサービス」が考えられます。新規性が高いものは、どうしても広告のLPでは上手く価値を伝えることができませんので、資料請求に至るほどリードの興味を引き上げることができないからです。このようなケースでは、資料請求のCTAは「Nice to have」にしかなりませんので、時間を要する場合においては必ずしも設置を急ぐ必要はありません(資料づくりから始めなければいけない、など)。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーは獲得リード数を増やすために外せない施策です。しかし、自由度が高いので「ホワイトペーパー施策をやりましょう」だけでは前に進みづらいものです。場合によっては、セールスチームの意見なども取り入れながらコンテンツの企画を考えなければなりません。
ホワイトペーパー施策には工数がかかるものですが、実施する価値は非常に高いです。その理由として、例えば、ホワイトペーパー経由のリードは「質が低い」と考えている人も多いと思いますが、実際はそうとも限りません。特に、自社製品やサービスを実際に使用している「顧客インタビュー」や、「主要5社の人事労務管理ツール比較」といった、特定カテゴリ内の各製品を比較したようなコンテンツを読みたいと思う人は、具体的に製品やサービスの導入を検討し始めているので、場合によっては商談化率が資料請求と変わらないこともあります。
また、製品やサービスによってはどうしても広告LPでその価値を伝えきれず、資料請求やお問い合わせによるリード獲得ができないこともあります。そのようなケースでは、コンテンツマーケティングなどで中長期的に市場を啓蒙していくことも必要になりますが、多くの企業では、短期的な顧客獲得も並行して行わなければなりません。
そういった状況では「対象製品にまだ興味がない(あるいは認知もしていない)ターゲット」をリードとして獲得し、人の手で直接価値を伝えていくことになります。そのようなケースでは下手にリードの質を考えるのではなく、ターゲットリードの量を担保する必要があるので、お問い合わせや資料請求ではなく「製品と関係はないがターゲットが知りたい情報」をホワイトペーパー化して広告配信する方が、セールスの力を最大限発揮できるということもあるでしょう。
このように、ホワイトペーパー施策を実行部分まで設計するには、事業戦略の理解やセールスとの連携が必要になるなど、少し難易度が高く感じられるかも知れません。しかし、それらを乗り越えて最適なコンテンツが見えてくると商談数の底上げにつながるのも事実ですので、挑戦する価値は大きいと思います。
ホワイトペーパー施策の設計経験がない場合は、なかなか施策が前に進まないかもしれません。そのような場合は、弊社のような広告代理店にご相談いただければ、広告運用の一環としてご協力できるかと思います。ご相談をお待ちしております。

セミナー(ウェビナー)申込み

ホワイトペーパー同様に、セミナー(ウェビナー)も自由度の高い施策です。自社の製品やサービスを紹介するセミナーもあれば、ホワイトペーパー同様に「製品と関係はないがターゲットが知りたい情報」を伝えるようなセミナーなど、目的によって柔軟に設計が必要です。
セミナーはホワイトペーパーと比較して、主に下記のような違いが挙げられます。
  1. 口頭説明を前提としているので資料作成が比較的容易
  1. 資料制作後も開催コストが都度かかる(オンラインも人件費がかかる)
  1. リード化する人がそもそも違う(ホワイトペーパーでリード化しない人がセミナーではリード化することもある)
  1. 時間を合わせて参加しているので比較的モチベーションが高い(オフラインの場合は特に)
  1. ノンバーバルも含めた「見せ方」を磨くことで、参加者に強く印象を残したり、信頼感を醸成したりできる
  1. 口頭説明により、複雑な内容も理解してもらいやすい
  1. オフラインのセミナーは、営業がその場でターゲットに対してフォローできる
  1. 参加者にアンケートを取ることができる
このような違いがあるため、ホワイトペーパーとセミナーは持っているリソースや目的によって使い分け、その後の商談化率などのKPIを見ながら、どちらの運用にリソースを割り当てるべきかを判断していきます。

メールマガジン登録

メールマガジンについては、極論を言えば、手動でリスト管理とメール配信をすれば良いため、恐らく全リード獲得経路の中で実現難易度としては一番低いのではないかと思います。
ただし、当然ながら内容の無いメールマガジンはブランドを毀損しかねませんし、そもそも「登録する理由」がないと登録してもらえません。ですので、登録する理由を示すためにも、多くの場合ではブログなどのオウンドメディアで情報発信されていることが前提となります。しかしながら、オウンドメディアが運用にのっているのであれば、まずはメールマガジン登録のCTAを追加してしまうのは有効な手段です。
その上で、登録率を上げる工夫のひとつに「登録者限定コンテンツ」の配信があります。もし「ターゲットにとってこの情報は価値が高い」と自信を持てる情報をお持ちの場合は、その情報の頭出しだけをして、具体的な内容を登録者限定にすることで登録率を引き上げることが期待できます。
弊社でも、例えば「ホワイトペーパーごとの商談化率」などの秘匿性の高い情報を、メールマガジン購読者の方々にご提供しております。よろしければ登録くだいませ。
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メディア会員登録

こちらは、宣伝会議や翔泳社のような「メディアそのものが商品のようになっているケース」では検討可能な選択肢ですが、自社製品のリード獲得を目的とした施策ではあまり見受けられません。理由は恐らく、リード獲得を目的とすると運用コストがかかりすぎてROIが合わないのだと考えられます。

フリートライアル・フリーミアム

フリートライアルとは、製品を期間限定で無料開放することで、フリーミアムは製品の一部機能を原則無期限で無料開放する施策です。フリーミアムの有名な例には「Zoomが1度に40分以内の利用は無料としていて、それ以上に長いMTGをしたい場合は有料契約が必要になる」といったものが挙げられます。
ただし、これらをリード獲得経路として置く場合は、事業戦略、特にGTM(Go-To-Market)戦略とセットで考える必要があり、運用の現場レベルでの意思決定は難しいと思います。なお、これらのリード獲得経路が有効なGTM戦略としては、一般的に「Product-led growth(PLG)」があります。
現場での意思決定が難しい施策とはいえ、戦略と現場を橋渡しするためには是非学んでおきたいところです。下記の記事と書籍をお読みいただければより理解が深まるかと思いますので、ご興味ありましたらご一読ください。
  • 記事:BtoB事業の広告運用にあたって知っておくべきマーケティングフレームワーク
  • 書籍:PLG プロダクト・レッド・グロース「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」

おわりに

今回はBtoB事業における運用型広告の施策として、リード獲得経路の選定にフォーカスしてお話をしましたが、当然、他にも改善を進めるために抑えておくべきポイントなどはございます。それらの情報については順次公開をしていきたいと思いますので、よろしければメールマガジンの登録やTwitterのフォローをお願いいたします。
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