【広告規約】価格の「税込み表示」はBtoBサービスでも遵守すべきか
背景
法人向けのsimサービスを提供している企業様にて、広告バナーを作成する際に「価格の記載をお願いしたい」と依頼を受けました。その際に、表記する金額は「税抜でよいのか、税込がよいのか」と議論になりました。
この議論の前提として、価格の税込み表記を義務付ける「消費税法の総額表示義務(下記の補足参照)」の対象範囲が「消費者向けサービス」である点と、Yahoo!社の審査基準においても同様のルールである点は認識していました。
補足①:消費税法の総額表示義務
総額表示義務とは、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合に、消費税額(地方消費税額を含む。)を含めた価格(税込価格)を表示することを義務付けるものです。
補足②:Yahoo!社の税込み表記規約
消費税法により、事業者が消費者に対して行う価格表示は税込価格の表示(総額表示)が義務付けられているため、当社において掲載する広告についても法令に基づき基準を定めています。
その上で、上述した議論となった背景には下記があり、特に1の部分が大きかったです。
- 法人向けとはいえsimというサービスの性質上、「消費者」に近い属性の方が購入する可能性がある
- 審査落ちしてから対応という選択肢ではなく、デザイナーや運用者の稼働工数を加味して事前に規約をしっかり確認したい意向があった
このような背景から、最終的には広告媒体の中でも審査基準の厳格なYahoo社に見解を伺うことにしました。
結果
Yahoo社に、以下のような問い合わせをしました。
- 税込み表記義務はBtoB向けサービスでは対象外の認識で相違ないか
- 一般消費者向けはどのような定義に基づいて判断されるのか
その際の回答は、以下の通りです。
Yahoo!社の回答
- 「税込み表記規約はBtoB向けサービスでも対象になるか否か」については、まず前提として「消費者」は基本的に一般消費者を指しており、BtoB向けサービスにおいて税込み表記の義務はない
- しかし、一般的なECサイトなどは、事業者向けの商品やサービスであっても一般消費者も購入できる場合がある。そのような場合、財務省のサイトQ4にあるとおり、『特定の取引先に限定することなく、「不特定かつ多数の者」を対象として行う取引』となるので、総額表示の対象と判断される
- どのような商品やサービスが「およそ一般消費者が購入しないもの」に該当するかは、上述のとおり一般消費者が購入可能であれば総額表示の対象と判断される
- また、財務省のサイトのQ6の質問にあるサービス(事業者向けに経済指標等のデータ提供サービス)は一例に当たるが、回答にあるとおり、一般消費者向けか事業者向けかの判断は、サイトの内容や世の中の変化に伴って変わるため、OKとなる商品を例示することは難しい