【B2B/SaaS】ホワイトペーパーを活用した広告のリード獲得効果と注意点

顧客獲得のトップラインを伸ばすためにホワイトペーパーを活用することは、とても効果的な施策です。ただし、その後の商談単価やCACが上昇する傾向にあるため、実施にはいくつかの注意が必要です。
ホワイトペーパー活用の効果と注意点について簡単に書いてみます。

背景

これまで、あるSaaSサービスのリード獲得のために、「問い合わせ」や「製品資料ダウンロード」をCVポイントとして広告配信を実施していました。
しかし、それらのCVポイントに到達するユーザーは少数の顕在層であり、獲得が頭打ちになり始め、目標達成が難しくなってきました。

取り組んだこと

そこで、ホワイトペーパーを広告配信に活用してリード獲得の増加を図りました。具体的には以下のホワイトペーパーを活用しました。オーソドックスなものです。
  • 導入事例集
  • Tips・ノウハウ資料
取り組んだプラットフォームは、検索広告(Google, Yahoo!)とFacebook広告です。

結果

ホワイトペーパーを活用することで獲得リード数が約1.8倍になり、獲得単価も大きく低下しました。また、有効リード( 競合や学生、既存リードなどの顧客になり得ないリードを除いたもの)の割合を低下させることなく獲得数を伸ばすことができました。
 

補足

  1. それぞれの期間で、これだけの変化を与え得るような目立ったマーケティング施策は実施していません。
  1. 有効リード判定は、CRMのリードデータに対してクライアントご担当者が手動でフラグ付けを行っています。そのため、やや主観に基づく判定があります。

学びと考察

この結果から、リード獲得のトップラインを伸ばすためにホワイトペーパーを活用することが、即効性のある非常に効果的な施策であることが分かります。有効リードの割合が低下しなかったことも重要なポイントです。
しかし、注意すべき点もあります。
ホワイトペーパーを活用すると、多くの場合で後続プロセスの歩留まりが低下するため、リード獲得後のナーチャリングがカギを握ります。よって、MAツールは導入してるか?インサイドセールスの体制構築はできているか?といった点を抑えながら施策を展開することが望ましいです。この点を抑えずに走り出してしまうと、CACをいたずらに上昇させ、逆にホワイトペーパー施策が全体の投資対効果を悪化さてしまう可能性もあります。
また、どれだけうまくナーチャリング施策を実装しても、ホワイトペーパーを使うとCACが上昇する傾向にあるため、アーリーステージやLTVの低いサービスにおいては、優先度の高い施策ではない(あるいは、簡単には手を出せない施策)かもしれません。
ホワイトペーパー施策は、「多少の効率悪化を許容してでも、顧客獲得のトップラインを伸ばしたい」という局面において、特に効果を発揮する施策だと思います。

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