【BtoB/SaaS】リード獲得を目的とした運用型広告戦略の策定プロセス

運用型広告でリード獲得をする際の広告戦略の重要性

BtoB事業者がリード獲得を目的とした広告配信で成果を出すためには、しっかりと運用型広告戦略を練ってから実行フェーズに移ることが肝心です。
これはBtoC事業でも言えることではあるのですが、BtoBは特にセールスが力を持っており、マーケティング投資に対して懐疑的な場合も少なくないため、やみくもに広告配信を行うと「全くリード獲得に貢献しなった」「いたずらにCACを高騰させてしまった」といった、本来のポテンシャルを引き出せないまま運用型広告への不信感だけが募って予算が縮小していくという悲しい結果を招きかねません。
実際にオーリーズでも、以下のような悩みを持ったBtoBのお客様からご相談を頂くことが多くあります。
  • 運用型広告に可能性を感じているが期待する成果が出ていないので施策を拡大できずにいる
  • リードは獲得できているが商談に繋がりづらい
  • リード獲得までは追えているが、その後の商談まで追えていないので評価が曖昧なままで自信を持って投資拡大できない
  • そもそも費用対効果の議論も十分にできていない状態で予算だけ消費してしまっている
そこで、本記事では実際の事例も踏まえながら、運用型広告で適切なリターンを得るために大切な運用型広告戦略の重要性と策定方法についてお伝えいたします。

運用型広告戦略の策定プロセス

以下5つのステップを踏むことで、目的に対して適切な広告戦略の策定可能になり、運用型広告で期待した成果も得られやすくななります。
  1. 目的の明確化
  1. CVポイントおよびコンテンツの設計
  1. 媒体の選択
  1. KPIの選択とモニタリング環境の検討
  1. 配信方針の全体像を整理し共有する

1. 目的の明確化

お問合せ頂いたお客様へヒアリングを行ってきた経験から、計画段階における目的設定が不十分で必要なプロセスを踏めていなかったがために、数か月後に「コールドリードの割合が想定より多く商談に繋がらない」や「無効リードが多い」などの問題が顕在化し、広告停止や改善を余儀なくされるケースが多いように感じます。
例えば、目的を「リードの獲得」と設定した場合に、これでは「どんなリードなのか?」「その先のゴールは何なのか?」「何をKPIにすべきなのか?」が分からず、適切なメディアプランやKPI設計ができなくなってしまいます。
その結果として運用者側は「CPAが安く成果が良いと思っている」のに、マネジメント側は「商談が増えず成果が悪いと思っている」というような認識齟齬が気付かぬ間に発生してしまう原因になります。
このような双方の問題を無くすためには、具体的かつビジネスとの関連性を明確にした目的設定が必要だと思います。
具体化した目的設定の例は以下の通りです。
  • 短期的な商談創出のため顕在層のリード獲得を図る
  • ナーチャリングを前提とした中長期的な商談件数を最大化するため、潜在層の有効リード獲得を図る
このように計画段階で前提やゴールも含んで目的を明確化することで、マネジメント側と運用者側との齟齬を減らし、以降のステップでの精度を高める問い(※)を明確にすることが可能になります。
👉
※「顕在層(又は潜在層)のリードを獲得するために適切なCVポイントと媒体はどれか?」「適切なKPIとモニタリング方法は何か?」という問い
また、運用者側はマネジメント側の描く「戦略」を把握し運用型広告に落とし込む力が必要となってくるため、BtoB特有のフレームワークや概念を理解しておくことが大切です。
以下の記事では、「BtoB事業の広告運用にあたって知っておくべきマーケティングフレームワーク」について解説していますので是非ご一読ください。

2. CVポイントおよびコンテンツの設計

目的が明確になれば、目的達成のために有効なCVポイントとコンテンツの選択も精度が高まります。
例えば、「商談に繋がる顕在層のリード獲得」という目的において有効なCVポイント/コンテンツには以下のようなものがあります。
  • 問い合わせ
  • 資料請求
  • 見積もり依頼
  • トライアル申込み
  • 製品紹介セミナー申込み
  • 事例集や比較資料のダウンロード
広告の遷移先としてよくあるものとしては「問い合わせ」がありますが、上記のように資料請求や見積もり依頼・トライアルなどのCVポイントも加えることでCVRが高まり顕在層のリード獲得数増加に寄与する可能性が高まります。
オーリーズにおけるBtoB事業者への支援においても以下のような事例があります。
  • 問い合わせよりも資料請求の方が2倍ほど有効リードの獲得数が多かった
  • 問い合わせと比較して資料請求の商談化率は7~8割程度の水準だった
この事例から分かるように、問い合わせに加え資料請求のCVポイントを活用することによって、一定の商談化率を担保しながらリード数の増加に繋がる可能性があることが分かります。
以下の記事ではCVポイントとなる「リード獲得経路」を網羅的に解説していますので、是非ご一読ください。
また、事例集や比較資料などのホワイトペーパーも顕在層のリード獲得に有効である可能性があります。
オーリーズにおけるBtoB事業者への支援では、事例集や比較資料などのコンテンツダウンロードをCVポイントとして活用し始めてから、広告経由の年間商談獲得数が25%増加した事例があり顕在層のリード獲得を目的とした配信においてもホワイトペーパーを活用する余地が十分にあるものと思います。
以下のMediumが公開している海外記事は「トライアルまたは有料顧客化に繋がったコンテンツは何か?」を検証したものになります。
アーリーフェーズのスタートアップで行われた検証ですが、運用型広告のCVポイント/コンテンツ設計においても役立つ内容となっていますので、併せてお読みいただくと良いかもしれません。
もちろん設計したCVポイントやコンテンツを実装していくには、インサイドセールスとの連携やコンテンツ制作のリソース確保なども考慮する必要があります。
しかし、「なんとなく問い合わせのみ」「ホワイトペーパーはリードの質が低そう」といった曖昧な認識で実行フェーズに移ってしまうと、運用型広告のポテンシャルを引き出しきれずCACを上昇させる原因にもなるため、計画段階でリソースと目的達成のバランスを考慮したCVポイントとコンテンツの設計を行うことが大切だと考えています。

3. 媒体の選択

このステップに関しては、これまでの運用実績や経験値によって媒体選択の精度が変わってきますし、実行フェーズでも各媒体の費用対効果のモニタリングを行いながらブラッシュアップしていく必要があります。
オーリーズでは、多くのBtoB事業者への広告支援に携わらせて頂いていることもあり「商談・有効リード獲得に効果的な媒体やターゲティング」「媒体ごとの有効リード単価や商談単価」などの事例やノウハウを蓄積しているため、計画段階での媒体選択の精度が必然的に高くなります。
例えば、弊社の支援では以下のような事例がありました。
  • 同じCVポイントでもFacebookよりGoogle検索広告の方が有効リードからの商談化率が高かった
  • 同じホワイトペーパーでも媒体によって有効リードの割合に有意な差が出た
  • 同じGoogleのディスプレイ広告でもFind広告を活用することで商談獲得単価を引き下げられた
上記に限らずこのような情報は、モニタリング環境の整った実際の広告運用からでしか得る事ができないため、このステップでは経験やノウハウの蓄積量が重要な役割を果たします。
もし「広告配信を検討している(または既に実施している)ものの経験やノウハウがない」といった悩みをお持ちの方は、BtoB支援に強い外部支援会社に相談をしてみるのも選択肢のひとつとなるでしょう。
なお、弊社のBtoB事業者向けメルマガでは、登録者限定で媒体やコンテンツごとに商談化率や有効リード率、獲得単価などの実数字を公開するなど、あまり公に出すことができないBtoBマーケティングの実例を公開しております。
BtoBの広告配信にも役立つ内容となっておりますので是非ご登録ください。
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4. KPIの選択とモニタリング方法の検討

このステップでは広告配信の目的に対して適切なKPIを選択し、そのKPIをどのようにモニタリングするかを計画します。
例えば、広告配信の目的が「短期的な商談創出のため顕在層のリード獲得を図る」だったとした時に計測すべきKPIの例は以下の通りです。
  • 広告経由のSAL獲得数
  • 広告経由のSAL獲得単価
  • 広告経由の商談獲得数
  • 広告経由の商談獲得単価
運用型広告で代表的なCV数やCPAという指標も大切ですが、「CVは増えたものの全く商談に繋がっていなかった」ということも起こりうるため、KPIは目的に関連が深く計測可能な指標を選ぶことが大切です。
また、場合によっては計画段階でモニタリング方法も検討する必要があります。
例えば「広告経由の商談獲得単価」をKPIとする場合は、媒体管理画面とSFAなどのセールスデータを連携してモニタリング環境を整備する必要があります。
エンジニアリングの専門知識が必要になるため相応のリソースを調達する必要がありますが、「どこのチャネルから、どのコンテンツで、どんなリードをいくらで獲得したか」を計測することが可能になるため、「商談獲得単価」や「有効リード単価」といった上位のKPIモニタリングを行う際は必ず検討すべきだと考えています。

5. 配信方針の全体像を整理し共有する

配信方針策定における最後のステップでは、配信方針の全体像を整理し関係者と共有することで認識をすり合わせる事が大切だと考えています。
具体的には下掲のような図に整理し可視化することで目的と手段(媒体・コンテンツ)の関係性を明らかにし、マネジメント側と運用者側の認識共有が促進されます。
もちろん、媒体やコンテンツをどこのファネルに当てはめるかは考え方や戦略次第で変わるはずですし、図のように明確にカテゴライズできるものではないため、そういった前提のもと商材にあった全体像を構築し共有する必要があります。

補足とまとめ

ここまで、「BtoB事業者における広告運用戦略」を一般化してご説明しましたが、現実においては戦略に応じたカスタマイズは必ず必要になります。
例えば、PLG戦略をとっているSaaSではフリーミアムやトライアルでコンバージョンさせることの重要度が高くなるため必ずしもホワイトペーパー広告などが有効とは限らず、SLG戦略とは異なる観点からメディアプランを策定する必要があるでしょう。
また「エンプラ向けのバーティカルSaaS」のようなセグメントが狭く高単価になりやすい商材では、そもそも運用型広告の有効リード・商談獲得単価が上昇しやすい傾向があるため、運用型広告よりも先にBDRやブログなどのコンテンツマーケティングに取り組むことが優先であると考えられます。
ただし、目的を明確化し、KPIを定めてからより具体的な方針に落とし込んでいくという大まかな流れが変わることはありません
今回は「リード獲得を目的とした運用型広告戦略の策定プロセス」についてお話しましたが、引き続き実際の支援で経験した実践に役立つ情報を順次公開していきたいと思います。
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